NEWSCH.4
耳の不自由な方を助ける聴導犬。共に過ごしたパートナーの卒業と、新たな出会いに密着
[愛媛県 松山市 三町 等]
1:45 聴導犬・ベルに引退のときが近づく……。
2:23 新たなパートナー・ハンナとの出会い
3:26 難航する訓練の様子と、次第に打ちとけていく2人
8:01 試験の結果は……?
9:00 ベルとの別れ
愛媛大学の障害を持つ学生をサポートする部署で働く太田琢磨さん。ご自身も幼少期の病気の影響で耳が聞こえません。
そんな太田さんを2015年から支えてきたのが聴導犬のベルです。聴導犬とはインターホンや火災報知器など、日常生活に必要な音を知らせる犬のこと。
筆者は目が不自由な方を支える盲導犬のことは知っていましたが、恥ずかしながら聴導犬の存在はこのニュースを見るまで知りませんでした。
そんなベルは、もうすぐ10歳を迎えます。人間の年齢でいうともう60歳。太田さんは「昔だったら教えてくれたのに今は教えなくなった音がある」「耳ももしかしたら遠くなってきているのかも」と語りました。
2022年の9月に、太田さんとベルは愛媛県松山市で介助犬&聴導犬を育成しているドッグフォーライフジャパンを訪れました。ベルの様子を確かめ、新しいパートナーと出会うためです。
同団体代表理事の砂田眞希さんは「10歳くらいから疲れが取れなかったりすごい疲れ方をするということがある。それがひとつの区切り」とコメント。ベルの引退の時期が近づいています。
ベルの引退を前に新たな聴導犬と訓練をスタートすることになった太田さん。いったいどんなパートナーと出会うのでしょう。
新たなパートナーとなったのは、介助犬として訓練を受けていた大型犬のハンナ。小型犬のベルと比べるとビッグです。
指示通りに動くことができるか訓練をしますが、ハンナは戸惑って言うことを聞いてくれません。
それは、ベルとの生活の中で太田さんの指示や行動に癖がついてしまっていたため。だからこそ、お互い新しいパートナーに慣れていくためには今まで染み付いた癖を抜いていく必要があります。
「距離感がイマイチまだよくわからないですね」と話す太田さん。犬の性格もあるのか、今までのパートナーのベルとは違うことも多く、訓練は苦労の連続だったそう。
お互いに信頼関係も築けてきて、だんだんと息が合ってきた太田さんとハンナ。目覚ましの音を知らせているシーンです。
ユーザーと聴導犬がパートナーとして認められるには試験に合格する必要があります。試験に向けて店舗でのデモンストレーションや訓練を2人で入念におこないました。
そしてハンナは無事試験に合格。晴れてパートナーと認められることになりました。
出会いあれば別れあり。ベルの最後の仕事は、大学の卒業式を太田さんと見届けること。学生とともに、ベルもひとつの区切りとして聴導犬を卒業します。
当日は職員にあいさつしたり写真を撮ったり、8年間の思い出を噛みしめるように構内を回っていました。
太田さんは「8年間はあっという間だった」と前置きし、「聴導犬は家族でもあるし相棒でもある、なくてはならない存在」とベルに助けられた感謝を語りました。ベルの先にはいつだって太田さんの顔がありました。2人の絆はかけがえないものです。
太田さんは「今までできなかったことをいっぱいやってくれたらいいなと。思いっきり遊んでもらいたい」と卒業するベルにはなむけの言葉を送りました。
動画では、卒業後のベルがボランティアの家で楽しく走り回っていました。とても元気がよくて、その様子にエネルギーをもらえます。ベル、やりたいことができてよかったね!
ベルと別れ、ハンナとの新しい生活が始まった太田さん。8年間の思いを胸に、それぞれが新しい生活の1ページを刻んでいきます。
訓練の様子や太田さんの思いが詳しく綴られているので、聴導犬について気になった人はぜひ動画もご覧くださいね。
【基本情報】
放送日:2023年4月7日
放送局:南海放送
番組名:NEWS CH.4
取材先:一般社団法人ドッグフォーライフジャパン
住所:〒790-0914 愛媛県松山市三町3-3-26
(編集:ノオト)
【ビタちく愛炸裂!】長野県民が愛する「ビタミンちくわ」が5ヶ月ぶりに生産再開!
[長野県 長野市 篠ノ井杵淵字大門西 等]
神田(こうだ) のぞポンライター
長野県民のソウルフードですが、実は石川県産!製造の様子も必見