NEWS CH.4
【感動】小学生向け企業体験プログラムで社会を知った子どもたちは融資を受けられるか!?
[愛媛県 伊予市 尾崎 等]
愛媛県伊予市で開催されている「ジュニアエコノミーカレッジinいよし」の存在を知り、ちょっと感動してしまいました。
伊予商工会議所青年部が主催するこの育成プログラムは、非常に意義が深いです。
まず、プログラムに参加した同市の小学5~6年生が5人一組になり、模擬の株式会社を設立します。そして、この会社を舞台に商品の計画・仕入れ・製造・販売・決算・納税までの一連のサイクル……つまり、経営を体験するというわけです。
会社を設立した小学生たちを見ると、希望に満ち溢れていました。
「社長です」、一度は言ってみたい一言! それだけでなく、商品部長や財務部長、宣伝部長など、各役職が子どもたちに割り振られました。
ここからは、かなりリアルです。各社には資本金1万円があり、銀行の審査に通ればさらに1万円の融資を受けることができます。そして、この2万円を元手にオリジナル商品を開発します。
原材料の仕入れにはお金がかかるし、収支決算書を作成する必要もあります。報酬だって分配しなければなりません。これらすべてを、子どもたちだけで進めていきます。いや、そこまで体験するんですか!
当時小学6年生の日山凉羽さんが社長を務める「株式会社ウォーリー」が商品化を目指すのは、豆腐を使って作るドーナツでした。
決して、遊びではありません。融資を受けるべく、銀行役と証券取引所役を務める大人たちと対峙し、プレゼンテーションを行わなければなりません。
証券取引所からのツッコミが、またシビアでした。
「食品は事前に準備ができないので、2時間の間で作らんといかんのですね」
「どうやってチョコレートを冷ましますか? 冷たくしないと固まらないと思うんで。そんなにすぐ固まるもんなのかな?」
見ているこっちがヒリヒリします。 あまりに緊迫した空気から、筆者は『マネーの虎』を思い出してしまいました。
さて、気になるプレゼンテーションの結果は?
「商品の作り方をもうちょっとみんなで話し合ったり調べたりして、もう一回来てください」(証券取引所)
つまり、「ノーマネーでフィニッシュです」ということ。会社経営の厳しさを5人のメンバーは思い知りました。この結果に、凉羽社長は……。
いや、ここで悔しくて泣けるだけで間違いなく有望ですよ! 「高くジャンプするためには、深くかがむことが必要」、人生の真理を今まさに彼女は体験しているのです。
伊予商工会議所青年部の大政裕志前会長が明かします。
「(プレゼンを)通すこともできるんですけど、それは子どもたちのためにならないんじゃないかなと思って。こういう厳しいこともあるんだよって知ってほしいし。ああいう経験をしながら最後、ゴールに到達したときの喜びは人一倍嬉しいだろうと思うんですよ」
この育成プログラム、子どもも大人も本気なんです。しかし、なんと3度目のプレゼンで株式会社ウォーリーは融資を受けることができました!
でも、まだまだ終わりません。商品化する豆腐ドーナツを試作しなきゃいけないし、実際に販売して利益を出す必要もあります。ただのシミュレーションゲームではなく、そこまでやります。
株式会社ウォーリーは、果たして成功を掴むことができるのか? ここから先は、動画本編でご確認ください!
【基本情報】
放送日:2023年9月6日
放送局:南海放送
番組名:NEWS CH.4
取材先:伊予市保健センター
住所:〒799-3127 愛媛県伊予市尾崎3−1
(編集:ノオト)