彼のしこ名は「一力山（いちりきざん）」です。一力山が目には見えない稲の精霊と三番勝負を取り、精霊が勝ち越すとその年の豊作が約束されるという神事……なんて説明で、果たしてご理解いただけたでしょうか？

わかりにくいと思うので、画像で察してください。

見えない精霊に一力山が上手投げされた！

三番勝負だから、もちろん勝つこともあります。今度は、うっちゃりで一力山が精霊を投げ飛ばした！

なんなんでしょう、この光景は……。エアギターならぬ、エア相撲か!?

というわけで、取り組み後の一力山の談話は以下です。

「4年ぶりで稲の精霊も気合入っていました」

「（久しぶりで）緊張もありますし、やってないので体がついてこないところもあったので、すごいドキドキしたんですけど」

一体、なにを言っているのか？

ちなみに、この力士の正体は今治市の職員。1999年から一力山を務めている菅貞之（かんさだゆき）さんです。いや、本人が「体がついてこない」と弱音を吐いているのに、なんで20年以上も彼に一人角力を頼り続けているの……。

それは、菅さんに「伝統行事を守り、未来につなげたい」という熱い想いがあるからです。見てよ、この必死の形相！ パッションが伝わってきます。

すっかり忘れてました。この三本勝負の結果は、果たしてどうなったでしょう？ 勝敗予想してください。繰り返しますが、精霊が勝ち越せば（一力山が負け越せば）豊作になると言われています。

勝負はときとして残酷なもの。好事家も注目するこの取り組みの結果は……動画でご確認ください！

のぞポンライター

寺西ジャジューカ

東京生まれ東京育ち……だけに、地方のおいしいものに憧れがある。子どもが好きそうな食べ物が好き。