ゆうがたGet!every.

昆虫食でビジネスチャンス!? 信州が“昆虫食王国”になった理由と商売センス

[長野県 長野市 信州新町水内 等]

この動画の見どころ!
00:13
ポップコーンのなかに蚕のさなぎが!
01:09
昆虫食に対する街の反応
02:30
なぜ、信州に昆虫食の文化が根付いたのか
04:01
製糸業や養蚕業にも追い風が吹く

一時期、食料不足対策として昆虫食推進の波が起こったとき、筆者はビクビクしていました。本音を言うと、腰が引けていたので……。

では、これならおいしそうに見えますか? 白いポップコーンのなかに混じった黒っぽい物体は、蚕のさなぎです。

テレビ信州の木下歌織アナウンサーはチャレンジャーです。笑顔で食べました。

「食感は、サクサクサク。ポップコーンと一緒に食べるとペッパー味と一緒になって、塩加減が絶妙でおいしいです」(木下アナ)

実はこの“蚕入りポップコーン”、「信州の昆虫食文化を国内外に発信しよう」と信濃毎日新聞社が開発した新商品なんです。商品名は、『飛んで火に炒る夏の虫』。「入る」を「炒る」にしたわけですね。

「道の駅 信州新町」(長野県長野市)に行くと、『飛んで火に炒る夏の虫』が平積みで展開されていました。2024年4月に発売され、初回生産分の約400個はわずか3日で完売してしまったそうです。

ただ、お客さんの反応はさまざまでした。

「これなら1回、トライしてみてもいいかなあ。タンパク質が取れていいっていう話は聞くんですけど。こういうので広まっていったらいいですねえ」

「虫なので、自分たちが子どもの頃から捕っていたものを口にするっていうのは抵抗がありますよね」

受け入れられる人がいる一方、ハードルを高く感じる人がいるのも事実です。

さて、ここで一つの疑問が。いなごや蜂の子といった昆虫食の文化は、なぜ信州の地でひときわ根付いたのでしょうか?

この疑問に答えるのは、長野市出身で「NPO法人昆虫食普及ネットワーク」理事長を務める内山昭一さんです。昆虫食自体は全国に見られた文化ですが、なぜ、信州に“昆虫食王国”のイメージが付いたのか? 理由を一言でまとめると、“商売センス”です。

「おいしくてお金になるような工夫を、いかにしたかということだと思います」(内山さん)

内山さんによると、信州では大正初期の頃に土産品として昆虫食の缶詰が販売されていたそう。つまり、昆虫食ビジネスにいち早く目を付けていたのが信州だったというわけです。

そういえば、近年の昆虫食ブームに火が点いたきっかけは無印良品が2020年に発売した『コオロギせんべい』のヒットでした。これもある意味、“商売センス”といえますね。

2019年以来、国内の昆虫食の市場規模はなんと5倍に膨れ上がりました!

この波はほかの産業にも波及、今や製糸業や養蚕業にも追い風が吹いています。冒頭で紹介した“蚕入りポップコーン”は、その代表例といえるでしょう。絹を取るだけでなく、蚕そのものに別の価値が備わったのかもしれません。

いろいろなところにビジネスチャンスは転がっているものだと、この動画を見て痛感しました。あと、昆虫食文化を“商売センス”という観点から掘り下げるのがおもしろい!

【基本情報】

放送日:2024年5月20日

放送局:テレビ信州

番組名:ゆうがたGet!every.

出演:木下歌織アナウンサー

取材先:道の駅 信州新町(〒381-2403 長野県長野市信州新町水内4619)、宮坂製糸所(〒394-0021 長野県岡谷市郷田1−4−8)

(編集:ノオト)

のぞポンライター

寺西ジャジューカ

東京生まれ東京育ち……だけに、地方のおいしいものに憧れがある。子どもが好きそうな食べ物が好き。

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