かつて、「ブルートレイン」の愛称で親しまれたJRの寝台特急。昭和50年代には一大ブームを起こすも、他の交通機関の発達などにより利用者が減少し、相次いで廃止されました。

そんなブルートレインに宿泊できる施設が、秋田県小坂町にありました。

ここ「小坂鉄道レールパーク」では、東京・上野駅〜青森・秋田方面を結んだ寝台特急「あけぼの」をJRから譲り受け、宿泊施設として活用しています。ただ泊まれるだけでなく、施設内を実際に走行するのも特徴。動くブルートレインに乗れるのは、なんと全国でここだけなんです。

明治48年当時の風景をそのままに修復された旧小坂駅にたたずむ「あけぼの」の姿は、まるでタイムスリップしてきたかのよう。このノスタルジーな雰囲気がたまりません。廃止から10年以上経つ今でも、全国に多くのファンがいる理由が分かります。

そんな「あけぼの」は、車両の製造から50年以上が経過しています。塗装の剥がれ、サビや雨漏りなど老朽化によるトラブルが続くなか、新型コロナウイルスの影響も重なり、2020年以降営業を休止することに。

営業休止後、老朽化はさらに加速。再び宿泊客を迎え入れるために、約1,830万円をかけて車両を修復しました。そのうち350万円は、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングによって全国から支援されました。愛されているね、あけぼの……。

そして迎えた宿泊営業再開日。約4年半ぶりに、車内が笑顔で満ち溢れました。

車体はまるで新車両のようにピカピカですが、内装はほとんど当時のまま。久しぶりの「あけぼの」に興奮を隠せない宿泊客の皆さん。その嬉しそうな表情を見ていると、なんだかこっちまで嬉しくなっちゃうな〜！

のぞポンライター

はらつかう

宮城県で生まれ、宮城県で漫画やイラストを描いています！いろんなことを結構頑張れます！