【2023年】歴史を途絶えさせない!! コロナに負けず、継承され続ける伝統行事6選

コロナ禍を経て、かつての日常が戻りつつあります。

地元民の健康や家庭円満、地域の繁栄などを願うべく、古くから伝わってきた伝統行事。ここ数年は中止や縮小が相次いでいましたが、各地で再開されているようです。

今回は、コロナ禍を挟んだことで逆に活気が増した感さえある、6つの伝統行事をご紹介します。

宮崎県「御田祭」 駆ける馬、泥しぶきを浴びる人々!

青森ねぶた祭りが4年ぶり通常開催 コロナ以降の大型ねぶたは?

愛媛県「お供馬の走り込み」 馬に乗って駆ける、恐怖心を克服した男子!

大分県「日田祇園」 山鉾が一堂に集結、大観衆の前でお披露目!

大分県「吉弘楽」 ユネスコ無形文化遺産の舞楽で地元に活気を

沖縄県「サングヮチャー」 巨大魚(の神輿)を担いだ中学生が海を渡る

■ 宮崎県「御田祭」 駆ける馬、泥しぶきを浴びる人々!

神の使いである神馬が神田を勇壮に駆け回り、盛大に跳ね上がった泥しぶきを浴びると無病息災が約束される。そう言い伝えられている「御田祭(おんださい)」は、宮崎県美郷町でおよそ1000年守り継がれてきた農耕行事です。

ここ数年は中止や無観客開催が続いていましたが、2023年7月に行われた御田祭は4年ぶりの通常開催! みんな、待ちに待っていたのでしょう。「熊本市内から来ました」「鹿児島です」「栃木から来ました」と、全国各地からファンが集結しています。

というわけで、祭り最大の目玉が「牛馬入れ」スタート。2019年に美郷町へやって来たゴンとゲン、2頭が神田でいい泥しぶきを上げている!

一方、その泥を浴びてる人たちの笑顔といったら! 泥だらけなのに……。

泥しぶきの迫力と、無病息災が約束された人たちの熱の高さは、動画を見るとより一層伝わってきます!

■ 青森ねぶた祭りが4年ぶり通常開催 コロナ以降の大型ねぶたは?

青森ねぶた祭りも、新型コロナの影響は大きかった。2020年と2021年は2年連続で中止となり、2022年はねぶたの周りで踊る「ハネト」の事前登録の制限が設けられました。しかし、2023年は4年ぶりに制限のない形で行われ、暑い夏を盛り上げた!

今年、最高賞「ねぶた大賞」に選ばれたのは、青森菱友会による「牛頭大王(ごずてんのう)」でした。

題材の牛頭天王は、弘前市のお寺・最勝院で祀られ「疫病除けのご利益がある」と津軽の人たちに信仰されてきた祭神。今回の大型ねぶたでは、牛頭天王が新型コロナウイルスや戦争という脅威を封じ込めるべく、御札を人々に与える姿が描かれています。

「牛頭天王」を制作した竹浪比呂央さんは、今年で4回連続の最優秀制作者賞を受賞。「新しい時代に合った形のねぶたを、制作者として先頭に立って考えていかなければならない」という殊勝なコメントも、彼が手掛けた大型ねぶたを見れば納得です。

2023年の青森ねぶた祭りで各賞を獲得した数々の大型ねぶたも、ぜひ動画本編からご覧くださいね!

■ 愛媛県「お供馬の走り込み」 馬に乗って駆ける、恐怖心を克服した男子!

愛媛県菊間町の加茂神社で家内安全・五穀豊穣を祈願して行われる「お供馬の走り込み」も、コロナ禍を挟んで3年ぶりの開催となりました。3~15歳までの少年が乗り子(騎手)になり、馬に乗って約300mの参道を駆け抜ける神事です。

記念すべき仕切り直しイヤーに乗り子に挑戦したのは、9歳の坪坂虹騎(つぼさか・こうき)君でした。

でも、どうやら本人は及び腰のよう。練習初日、馬へ乗るようお父さんに促された虹騎君は、「えー」とあからさまな拒否反応です。かつて、馬から落ちた経験があるため、彼は恐怖心を抱えていたのです。

本番当日、虹騎君は果たして無事に参道を駆け抜けることができたのか!? その結果は、ぜひ動画でご確認ください。ちいさな男の子がカッコよく成長していく姿は、感涙モノ!

■ 大分県「日田祇園」 山鉾が一堂に集結、大観衆の前でお披露目!

疫病や風水害を祓い、安寧を祈るお祭りとして大分県日田市で300年を誇る「日田祇園」。国指定重要無形民俗文化財であり、2016年にはユネスコの無形文化遺産に認定されました。

2022年は一部の町で神事のみ実施された日田祇園。2023年には通常開催となり、日田祇園の見どころの1つ「集団顔見世」が4年ぶりに行われました。これは祭り当日に別々の地区で巡行する山鉾(やまぼこ)が、別日に一堂に集まる行事です。

これまでは本番2日前の木曜夜に行われてきた集団顔見世ですが、今年はより多くの人に見てもらえるよう、本番1週間前の日曜にスケジュールが変更されました。

ほかにも、少子高齢化にともなう人口減少を踏まえ、昨年から曳き手を広く募集。時代の変化に合わせて、いい意味で伝統を変えているのです。

テレビ大分・小笠原正典アナウンサーも曳き手として集団顔見世に参加。3トンもある山鉾を曳く様子は、すごい大変そう!! 小笠原アナの奮闘、そして、山鉾の迫力をぜひ動画本編で感じてみてくださいね。

■ 大分県「吉弘楽」 ユネスコ無形文化遺産の舞楽で地元に活気を

14世紀の南北朝時代から大分県国東市に伝わる「吉弘楽(よしひろがく)」は、五穀豊穣などを願い、陣笠や腰みのを身にまとった楽人(がくと)と呼ばれる演者が14の演目を踊る風流踊(ふりゅうおどり)。昨年11月、ユネスコの無形文化遺産に登録された舞楽です。

2023年に行われた吉弘楽は、ユネスコの無形文化遺産に登録されてから初の奉納でした。さらに、新型コロナの影響で観客を入れた形で開催されたのは4年ぶりです。県内外からは100人余りの人たちが集まり、勇壮な踊りを堪能しました。

「地元に活気が戻ってきた」と、地元の吉弘楽保存会のコメント。観客からは「動きにいろいろな変化があって楽しめました」と満足げで、こういった反響が活気につながっていくのでしょう。

太鼓や笛の音に合わせ、激しい動きで踊る無形文化遺産・吉弘楽。その醍醐味を、動画本編で堪能してくださいね!

■ 沖縄県「サングヮチャー」 巨大魚(の神輿)を担いだ中学生が海を渡る

沖縄県うるま市平安座島では毎年、「浜下り」の時期にあたる旧暦の3月3日から3日間、豊漁と島の繁栄を祈願する「サングヮチャー」が開催されます。

サングヮチャーは200年以上続く伝統行事ですが、新型コロナの影響でここ数年は関係者のみで行われてきました。しかし2023年は4年ぶりに地域の住民や見物客も参加できる従来の形に戻り、盛り上がりを見せた!

特に、3日間の中日に行われた「ナンザモーイ」は最大の見せ場です。地元の中学生が巨大な魚の神輿を担ぎ、「ワッショイ、ワッショイ!」と元気よく掛け声をあげながら集落から休むことなく前進。そのまま海を渡り、浜からおよそ600メートル離れた「ナンザ」と呼ばれる岩の島まで神輿を運びます。

かれこれ、4年ぶりのナンザモーイ。神輿を担ぐ中学生たちは、全員がこの神事に初参加ということです。「(担ぐことに)憧れてました」「(前回は)小学5年生で浜から見ていただけなので、海の中に入るのが楽しみです」と、子どもたちもサングヮチャーの再開を待ち望んでいた!

神輿を担いだ中学生は、感慨深げな表情。「4年ぶりに伝統行事に参加できて楽しいです。僕たちが後輩たちに引き継いでいきたいです」と、まっすぐな気持ちを吐露しています。ここからまた、伝統は続いていくということですね。

■コロナ禍でも歴史が途切れなかった伝統行事の数々

コロナ禍を経て、再開の動きを見せてきている各地の伝統行事。時代に歩調を合わせた少しずつの変化を伴いながら、その伝統は引き継がれていきます。再開を望んでいた地元民の思いと、若い芽の存在が原動力でしょう。

来年、再来年、10年後、50年後……世代から世代へとその伝統は引き継がれていってほしいものです!

「この伝統行事に参加してみたい!」という動画があれば、ぜひ各動画下の「なるほどですね〜」ボタンを押してみてください。あなたのプッシュが各放送局、そして、伝統行事の担い手の応援につながります。

(編集:ノオト)

のぞポンライター

寺西ジャジューカ

東京生まれ東京育ち……だけに、地方のおいしいものに憧れがある。子どもが好きそうな食べ物が好き。

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