【ジンギスカンの由来は?】どんな疑問も徹底調査! 北海道放送の名物コーナー「もんすけ調査隊」の取材力がすごい

地方を旅行していると「なんでこの食べ物が名物なんだろう?」「なんか変な建物だけどこれは何のためにできたんだろう?」と疑問に思うことがあります。地元の人にとっては当たり前のことでも、外から来た人にとっては興味津々。そういった地域の謎を紐解くのも旅行の楽しみのひとつです。

そんな人におすすめしたいのが、HBC北海道放送の「もんすけ調査隊」!

「もんすけ調査隊」は、日々の暮らしで感じた疑問や悩み、困っていること、不正の告発など視聴者が抱えている「なぜ?」「どうして?」を全力で取材する番組です。北海道放送のサイトによると「少しでも北海道を良くしていけるような調査報道を目指している」とのこと。

私はのぞいてニッポンでこの番組のことを初めて知ったのですが、調査がとにかく綿密で驚きました。

もはや当たり前になっている事柄でもしっかり調査してルーツを追ったり、誰も気に留めないようなニッチな情報を拾ったり。とことん足を使ってフィールドワークをしていて、北海道にこんな番組があるなんてすごいと思いました。

それでは今回は、「もんすけ調査隊」がどんな調査をしているのかご紹介させてください。道外に住む人も、道内に住んでいる人も気になるトピックがたくさん!

■ 北海道名物・ジンギスカンの由来って? 起源を求めて海を渡るもんすけ調査隊

北海道放送の生活情報番組「今日ドキッ!」スタッフから寄せられたのは「北海道名物のジンギスカンのルーツは?」というもの。50代の番組スタッフは長年気になっていたようです。確かに北海道ではジンギスカンが有名でお店もいっぱいありますが、ルーツについて考えたことはありませんでした。

モンゴルの英雄であるチンギス・ハーンが遠征中にかぶとで羊肉を焼いて食べたという説は有名ですが、実はモンゴルで羊肉を食べる文化はあれど、ジンギスカンに似た料理は存在しないのだそう。てっきりモンゴル発祥説を信じ込んでいました。

札幌の名店「成吉思汗(じんぎすかん)だるま」のスタッフに話を聞いたところ「東京から来たと聞いたことがある」との情報をキャッチ。

そこで調査隊はジンギスカンを研究している、滝川市郷土研究会の高石啓一会長にインタビューをすることに。めちゃくちゃフットワーク軽い!

そして高石さんからは、1936年に東京で「成吉思荘(じんぎすそう)」という肉店が日本初のジンギスカン専門店として誕生したことを教えてもらいました。

それではジンギスカンは東京が発祥なんでしょうか。これにてジンギスカン論争決着なるか。そうは問屋が卸しません。

高石さんからは「中国から渡ってきたと言ってもいいんじゃないですかね」との有力な情報を入手。ジンギスカンは元々は中国の"烤羊肉(カオヤンロウ)"という料理だったのだそうです。

"烤羊肉(カオヤンロウ)"っていったいどんな料理なんだろう。気になる……。

えっ! 中国にまで行っちゃうの!??

調査隊の辞書に「妥協」という文字はありません。まさか現地に渡ってまで調査しているとは……。まさしくジャーナリストの鑑です。

「ここまでやるか!」という声を出さずにはいられない綿密な調査。皆さんにも「もんすけ調査隊」のすごさの片鱗を感じ取れたのではないでしょうか。"烤羊肉(カオヤンロウ)"がどんな料理が気になる人はぜひ動画を見てみてください。「もんすけ調査隊」入門としておすすめです。

■ 札幌のガソリンスタンドの謎の柱っていったい何のために建てられた?

お次は「札幌のガソリンスタンドに謎の柱が立っている」との調査依頼。現地の人にとっては当たり前の風景かもしれませんが、道外の私にとっては「?」です。いったいどんな柱なんでしょう。

あ、これは謎の柱としか言いようがないわ。なんか恐竜がツノを研いだような跡もあるし。こんなものが当たり前に街中にあるなんてすごいぜ。

この柱は、札幌市・豊平区のガソリンスタンド「ENEOS Dr.Drive南平岸SS」に立っているもの。でっかい柱を立てるならまだしも、表面が削れているのは何なのか。地元住民からは「トラックがぶつかったのかな」という声も寄せられていました。

調査員が北海道エネルギーの上村友哉部長に突撃!

「柱はサインポールの代わりにオリジナルに自社で制作したもの」とのコメント。通常のガソリンスタンドでは看板の柱が立っていますが、こちらはわざわざコンクリートの柱に変えているのだそう。

「他のエネオスと差別化を図るために変わったデザインで建築したと聞いている」と上村さん。著名な作家が手掛けたアートというわけでもなく、正体を知るとやや肩すかしな気もします。しかし、こんなニッチな話題まで調査する「もんすけ調査隊」の手腕たるや。

個人的にこういう変な建築物が好きなので、今度北海道旅行に行ったときはこのガソリンスタンドに行ってみたい! ありがとう「もんすけ調査隊」!

■ 水温1℃の真冬にサーフィンしている人がいるけどなんで?

3つ目に寄せられたのは「JR銭函(ぜにばこ)駅付近の海岸でサーフィンをしている人がいるけどなぜ?」という疑問。北海道の冬の海なんてきっとめちゃくちゃ寒いのになぜ?

踏切の前にはドライスーツを着てサーフボードを持っている人の姿が。正気か?

海岸に行ってみるとサーフィンを楽しむ人たちが。なんと水温は1℃。そのまま海にいると、30分以内に意識不明になる冷たさです。おい! 上がれ上がれ!!!

しかしサーファーたちが着ているのはドライスーツ。ブーツと一体化しているので体に水が触れることはほとんどなく、体温が下がりにくいため海水温が低くても大丈夫なのだとか。

それにしてもわざわざ寒い冬にサーフィンをしているのはなぜ? 波が呼んでいるから?

そう、波が呼んでいるからでした。

気圧配置の影響で、夏は太平洋側に波が出ますが、冬は反対の日本海側に波が出るのです。地元のサーフショップの店主によると日本海側は岩や石のポイントが多いので、波質やパワーが異なってくるのだそう。サーフィンってやったことないけどそういう波選びもあるんだな〜。

とはいえ顔は丸出しなので、やっぱりサーファーたちはとても寒そう。サーフィンって冬でもできるし、むしろ冬の波のほうが良かったりするという新たな知識を得ることができました。

こうした身近な疑問を調査してくれるのはありがたいですね。だってサーフィンしている人にわざわざ聞けないから……。

■ 灯油タンクは東日本では赤だけど、北海道はなぜ青色?

最後の疑問は「灯油タンクの色はなぜ北海道は青色?」というもの。これは初耳です。

ウェザーニュース調べの「灯油のポリタンクマップ」によると、東日本は赤色で、西日本は青色なのだそう。その流れで行くと北海道は赤色になるはずなのに、なぜか青色。そもそも灯油のポリタンクにこんなに地域差があるとは知りませんでした。

もんすけ調査隊はホームセンターに赴きフィールドワーク開始。とはいえ青色のポリタンクしか売っていないわけではなく、店内には赤や緑など別の色のポリタンクも販売されています。

そもそも灯油タンクの色に決まりはなく、紫外線での劣化を防ぐためにそれぞれタンクに色を付けているだけ。ブルベ夏なら青色、イエベ春なら赤色と、みんな好きな色を使ってもいいはずです。

とはいえ北海道の灯油タンクとして主流なのはやはり青色のタンク。これはいったいどうしてなのでしょう?

もんすけ調査隊は謎を知るために灯油タンクの工場へ。すごく足を使って調査している。製造工程をひとしきり見学させてもらい、灯油タンクとはなんぞやということを調査。

そして工場にタンクを発注している岩谷マテリアルに取材を敢行します。

同社部長の外岡文直さんによると「赤い灯油タンクの顔料に使う鉛を禁止したら顔料が高騰したので、関西方面では安価な青色に変えて、関東は赤=危険物ということで真面目に赤を使い続けた」と、東西で色が分かれた説について解説いただきました。

なぜ北海道で青色の灯油タンクが主流になったかということについては、「青色が安いということで北海道でも青色を選んだのでは」「最終的に力の強い大手ホームセンターが青色を広めたからでは」と分析していました。だんだん紐解けてきた気がします。

元々北海道にはいろんな色の灯油タンクがあったということでその他の色も気になりますね。勉強になったな〜。

■ 「もんすけ調査隊」を見て北海道に詳しくなろう!

ジンギスカンの由来から灯油タンクの色まで、どんな疑問も徹底調査している「もんすけ調査隊」。ここまで読んだあなたなら、この番組のすごさがなんとなくわかったはず。道外に住む人も道内に住んでいる人も注目の内容です。

その他の動画が気になった人はぜひのぞいてニッポンで動画をチェックしてみてくださいね! 動画を見て北海道をもっと知ってみよう!

【「もんすけ調査隊」のその他動画はこちら!】

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のぞポンライター

神田(こうだ)

山口県出身のライター・編集者。地方のニュースが大好きだし、明るく朗らかで気さく。

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