見応え抜群! 南海放送の「NEWS CH.4」が作るドキュメンタリーの完成度がスゴい
夕方のテレビ番組をボーッと観ていたら、いつの間にか夢中になっていた……という経験、ありませんか?
普段は見れない特殊な仕事の裏側や、全国各地で珍しい取り組みをする人たちの勇姿を見られるのは、テレビ局の取材力があってこそ。気付けば画面の前で、ワイプに切り取られるタレントばりにリアクションしてしまうのは、きっと私だけじゃないはず……。
今回紹介したいのは、南海放送の夕方ワイド「NEWS CH.4」が送るドキュメンタリー。手間と時間をかけた丁寧な掘り下げや、多角的な視点の取材と構成には毎度感心するものがあります。
筆者が個人的に推しているのは、取材先の方々の表情の切り取り方。「NEWS CH.4」の取材班が映す、愛媛県で活躍する方々の瑞々しい笑顔には、いつも元気をもらっています。(なにかお返ししたいくらいです)
ということで、完成度が高く見応えのある「NEWS CH.4」のドキュメンタリーを5本紹介します! いろいろ言ったけど、とにかく面白いんです‼︎
■こんな景色見たことない! 空の便を支える“グランドハンドリング”の裏側に密着
快適な空の便を地上から支える、“グランドハンドリング”という仕事をご存じですか?
一言にグランドハンドリングと言っても、その業務内容は航空機の誘導や手荷物の搬送、旅客の誘導など多岐に渡ります。今回「NEWS CH.4」では、旅客担当と地上エリア担当の2名のスタッフに密着しました!
旅客担当の業務は、主に手荷物預かりや搭乗ゲートでの案内など。空港の顔として、私たちにも親しみの深い方々ですよね。あのスタッフさんたちも“グラハン”だったんだ!
なかでも「ランプ」と呼ばれるスタッフは、地上エリアで到着便の出迎えと出発便の準備を行います。
ランプ担当のスタッフさんが「グラハン最大の見せ場」だと語るのは、出発便の機体を滑走路に向けて押し出す「プッシュバック」。臨場感と迫力がすごい……! こんな景色、見たことありますか⁉︎
この密着の魅力は、ただグラハンの業務内容を紹介するだけでなく、グラハンの皆さんが仕事のどのようなところにやりがいを感じているのかまで、つぶさに取材していること。
定刻に追われる仕事は考えるだけでプレッシャーがすごいですが、その大変さを感じさせないほど皆さんの表情が生き生きとしていて、いいんだよなぁ……。
■全国唯一の「水族館部」! コロナ明け初の一般公開に嬉しさ爆発
全国的にもかなり珍しい「水族館部」がある、愛媛県大洲市の長浜高校。
なんと、校内で約150種類、2000匹もの生き物を飼育しています。月に一度、その水槽を一般公開するイベント「長高水族館」を開催。 部員たちがイベントの企画から展示、解説まで全て担当する、完全手作りの水族館です!
そんな一般公開日ですが、今回はちょっと特別。新型コロナウイルスの影響による人数や時間の制限が緩和されてから初めての開催なんです。
「長高水族館」をライブ配信で開催するなど、コロナ禍でも工夫をこらして活動を続けてきた水族館部。3年生の島崎くんは当時を「楽しくなかったわけじゃない。制限は多かったけど、その分学校の人たちと関われる機会が多くなった」と振り返ります。その時々を楽しむ前向きな姿に、目頭が熱くなるね……。
そして、待ちに待った例年通りの一般公開日。開場から間も無くして、教室や廊下がパンパンに! 絵に描いたような大盛況で、こちらまで嬉しくなっちゃう!
それぞれ担当の水槽の前で、楽しそうに解説をする部員たち。観ているだけでほくほくとした気持ちになるこちらの動画は、個人的にもかなりお気に入りなのでぜひ多くの人に観てほしいっ!
■「薫ちゃんへ」10年5ヶ月、認知症の妻を思い書き続けた日記
愛媛県伊方町に暮らす金森 一臣さん・薫さん夫婦。薫さんは、55歳のとき若年性アルツハイマー型認知症と診断されました。
一臣さんが「(薫ちゃんは僕のことを)もう分からなくなっているんですけど、僕の気持ちだけを伝えたいと思って」と話しながら見せてくださったのは、10年5ヶ月の間、毎日描き続けた日記でした。
「何一つ言えないあなたを私は施設に託した。一日でも一分でも長く生きてほしいから。でも苦しい。」
発症から20年、仕事を辞め薫さんに献身し続けた一臣さん。2022年、ついに特別養護老人ホームへの入所を決意しました。施設に預けたから、これで安心というわけではない。葛藤と不安が痛いほど伝わってきます。
たとえ伝わらなくとも、ずっとずっと想っている。一臣さんの一途な姿には胸を打たれます。私、この動画何度も観ているのに、毎回同じくらい泣いている……。
■四国新幹線、本当に必要? 開業がもたらす光と影に迫る
日本で唯一、新幹線が開通していない地域である四国。1973年に「四国新幹線」の構想が始まり、景気低迷による停滞を経て、現在2037年の開業を目指し確実に動き出しています。
JR松山駅は、新幹線開通を視野に入れ新たに整備されています。駅中心に全長2.4kmを高架にする工事は最終段階へ。
ホームがもう完成してる! 整備途中の駅舎なんてなかなか見られないから新鮮な光景ですね。
さて、四国新幹線が実現した愛媛県には一体どのような未来が待っているのでしょうか。取材班は、2022年に開業した西九州新幹線の出発駅、JR武雄温泉駅へと足を伸ばしました。
宿泊施設の利用客数増加に加え、人口も大幅に増えたという武雄市。西九州新幹線の開業による沿線への経済効果は、1年間で1,736億円にものぼると言われています。
新幹線サイコー! ……と言いたいところですが、メリットばかりではないのも現実。
西九州新幹線に近いルートを走る並行在来線「長崎本線」の肥前鹿島駅では、博多方面行きの特急の本数が大幅に減少してしまいました。利用客が減り、「新幹線が通ってからここは無人駅みたい」と嘆くタクシードライバーも。
新幹線開通って、正直いいことしかないと思ってました。こんなに見応えがあって勉強になる動画、久しぶりに見たかもしれない……!
■“柑橘王国”存続の危機⁉︎ 河内晩柑、販路拡大のためヨーロッパを渡る
愛媛県といえば“柑橘王国”ですが、地球温暖化の影響で「2100年には温州みかんが収穫できる地域がなくなってしまうのではないか」と言われてるんだとか。そんな……。
愛媛県の持続可能な発展のためには、温暖化を防ぐ取り組みを行うことはもちろん、特産品の生産量減少による経済的な打撃を抑える必要があります。
そこで、愛媛県は特産である「河内晩柑(かわちばんかん)」をEUに輸出することに決めたのです。施策のスケールがでかい!
温州みかんよりも温暖な環境に適する上、同じ柑橘類のユズが世界的に人気があるという理由で「河内晩柑」は輸出にうってつけ。愛媛県庁特命チームはフランスに渡り、現地のバイヤーを招いたランチ商談会の開催をはじめ、パリの台所とも呼ばれる「ランジス市場」でのトップセールスを行います。
現地のコーディネーターを交えた最後の作戦会議にも密着。どうやら、市場のトップで次期首相とも評されるステファン・ラヤニ氏がキーマンのようです。果たして、河内晩柑はフランスの方々に受け入れられたのでしょうか……⁉︎
■こんなドキュメンタリーを、もっと観たいんだ!
以上、「NEWS CH.4」の骨太なドキュメンタリーを5本紹介しました。
ふとテレビをつけた時にこんなにしっかりとした密着番組が放送されていたら、それだけで価値のある午後になるだろうな〜。「NEWS CH.4」の取材力のおかげで私もどんどん博識になっている……気がします。
もっともっとこんなドキュメンタリーが観たい! という方はぜひ、「NEWS CH.4」の他の動画も観てみてくださいね!
(編集:ノオト)