ゆうがたGet!every
【60年の歴史に幕】長野県の老舗ドライブインが長期休業 最終日の様子をレポート
[長野県 塩尻市 贄川 等]
長野県塩尻市の「食堂S・S」。“SS”とはサトウススムの略で、現店主の父親が1964年に開業したときに名前を付けたのだそう。
長距離ドライバーや地域の人に「木曽路に来たらS・S」と言われ長年愛されてきました。そんな食堂S・Sですが、授業員の高齢化のため4月29日に休業することになりました。
休業の噂を聞いて県内外から訪れる人も多数。もう30年くらい通っているという常連客は、カツ丼を頬張りながら休業を惜しんでいました。
その他にも岐阜から20回以上は通ったというお客さんや、会社を休んでまで来たお客さんも。みんなに愛されたお店だったんだな……。長野にこんなドライブインがあったなんて知らなかったです。
お店のメニューは150種類以上。ラインナップがどれも魅力的で、私は特に納豆汁となめこ汁にそそられました。
一番人気のメニューは一晩寝かせて作る醤油ベースのサバ煮。見るからに味が染み込んでいておいしそう。こんなサバ煮をあつあつの白ごはんといっしょに頬張ったらもうたまらないだろうな……!
店主の佐藤さん夫婦をはじめ、70代のスタッフでお店を守ってきましたが、3月にスタッフのひとりが退職し、それぞれの負担が増えたのが休業の理由のひとつ。
「従業員を守りたい」と苦渋の決断で休業に踏み切り、後継者を探す道を選びました。
最終日は朝6時の開店前に50人が並ぶほどの大盛況。食堂S・Sの味を求めて県内外から大勢のお客さんが訪れました。
小学校のときから40年以上通っているという常連客が1番乗り。先頭の人だけにサービスされるコロッケを手に入れていました。豚汁定食とアジフライ、めちゃくちゃおいしそう……。
閉店1時間前には木曽から訪れたファミリーが最後の味を楽しんでいました。小さい頃に連れてきてもらっていたら思い出になるだろうな。いよいよ閉店の時間が近づきます。
お客さんから感謝の思いを込めてサプライズの花束が渡されました。店主の佐藤秀喜さんが妻の秀美さんに今までの感謝を伝え、思わず涙する場面も。
佐藤さん夫婦は「店の味を受け継ぐ後継者とともに、いつか再開する」と誓っていました。
地元の名店は、閉店するニュースでその名前を知ることが多いように思います。私ももっとはやく食堂S・Sのことを知りたかったと少しさみしくなりました。
本記事を執筆している7月時点ではまだお店は再開していないようですが、いつかの再開を私も楽しみにしています。動画ではお店の雰囲気をたっぷり伝えているので、ぜひ一度チェックしてみてください!
【基本情報】
放送日:2024年4月30日
放送局:テレビ信州
番組名:ゆうがたGet!every.
店名:食堂S・S木曽本店
場所:〒399-6301 長野県塩尻市大字贄川1872
(編集:ノオト)
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